【戦力外通告】過酷なだけじゃない・・。理不尽な関係が終わる戦力外通告とは!?

戦力外通告をうけるリアルなスケジュールと現場の空気感
監督、編成を経験したデーブ大久保が現場を語ります。

こんにちは、デーブ大久保です!

今回の話は、みんな知らない話だよね・・。よく年末の番組でやってるよね、あれ、あのまんまだからね。


戦力外通告を受けられるってことは『プロに入った証』っていう先輩もいる。

自分から辞められる選手ってあんまりいないんです。大体は戦力外通告。

リアルな戦力外通告の現場


僕が首脳陣になって初めて知ったことがあって。

3月終わりか4月にシーズンが始まって、1回目の整理選手は5月くらいにはもうでてくるんです。

そこで一回目を出して、出場機会をどうするかを考える。これ以上その選手に打席を与えていいものかどうか・・。


僕たちの考え方の基本は【打者なら2000打席、投手なら100~150イニング】そのくらい見てダメなら解雇。
そうすると、4年間毎年200打席打っている選手にあと残り1000打席行かせてもいいいものなのかどうかって判断がある。

正直ここは、ドラフト上位か下位かで変わってくるんです。球団がとってるから依怙贔屓はあるんだよね。
チャンスをもらって依怙贔屓をされているうちに結果をだしていないと、依怙贔屓から外されますよね。ここでレギュラーを外れると、めちゃくちゃ大変。自分からチャンスを掴みにいかなくちゃいけないから。


2軍って大体100試合しかないから、1番を打たせてもよくて400~500打席。打席数が足りないから大学野球とか社会人と試合をさせるんです。投手も同じで、100イニング投げさせるのって結構大変なんです。


その中で、5月に球団や育成部長と話して、あの選手はどうか、もっと打席にたたせるかどうかって話が始まる。

データも本当凄くて、投手もクイックタイムとか全部とられてますからね。

僕手帳に書いてあるけど、例えば松井裕樹


クイックタイム:1.19秒

全投球のストライク率:62.6%

初級のストライク率:60.8%


70%超える奴はゼロ。初級は40%はボールになっちゃうんだよね。

もっと詳しいデータが全部出ていて、それを加味して評価を具体化していくんです。

チームが試合に勝つ為に、必要な選手は誰かって当てはめて考えていく。
そこから外れていくのが7月末。外れた選手は、まず遠征に行かなくなって本人もすぐ分かるんです。


その後第一回戦力外通告があります。

僕たちは知ってるわけだから、接し方も難しい・・。ただ投げさせないって言うのもその子たちの1日にやりがいがないから、俺は放らせたいタイプ。編成やスカウトたちも見に来てるし、もしかしたら引っかかってくれればいいって思う。
投げた後、ガッツポーズとかしてると「こいつ戦力外なんだよなぁ・・」ってなる。編成部仲間に「うちの〇〇いいからちょっと目にかけといてやってくれないですか」って。そうやって頑張っている過程がないと、そういう風にはならないわけ。

10月の第一回戦力外通告で大体70%くらいがカットされる。

でも第二回目があるんですよ・・。セーフ!と思っていた矢先、「監督、呼ばれました」ってなることもある。

過酷なだけじゃない戦力外通告

でもプロ野球のいいところは、ダラダラやらなくて済むこと。

僕、プロゴルファーの資格持ってるんだけど、プロゴルファーは引退を自分で決めるから、生活をするためにダラダラ続けなければいけない人もたくさんいるんです。


野球はパーンっと切られるから、次にいける。僕からすると、引退と戦力外通告は野球界から身を引くということ、選手はみんな神々しく見えるんです。


プロ野球ってチームの為にっていう犠牲心のかたまりだから、それがなくなる。ちゃんと対話をしてくれる社会に送り出すっていう意味においては、前向きにいける。


最初に行ったけど、戦力外通告っていうのはプロに入れたっていう証でもあるから、そんなに悪いもんじゃないんですよってことを伝えたくて。


トライアウトもあるけど、現実今は引退試合になっちゃってるね。区切りをつけさせてあげるっていう意味合いが多いかな。

今はトライアウト行くと、一般企業も見に来ていて一般のサラリーマンとして就職してもらいたくてきている人もいる。縦社会もしっかりしているから、欲しい会社も多い。


今は今、これからはこれからだから。

戦力外通告って区切りがついて良いことでもあるよなって思うんだよね。

さらに詳しいお話は〘デーブ大久保チャンネル〙へ!

〘デーブ大久保チャンネル〙を記事化したものです。動画はこちらをご覧下さい。

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